Welcome to our party 2 【気象系BL】
第96章 第三ボタン by Namako
俺には憧れの人がいる。
憧れと言うよりは、淡い恋心を抱いてる、って言った方が正しいのかな。
その人は俺のいっこ上、つまり先輩で生徒会長。
その人に近付きたくて、生徒会役員に立候補した。
人前に出ることは苦手なのに。
笑っちゃうけどさ、それしか思いつかなかったんだ。
でもさ、距離が近くなればなったで、知りたくなかったことまで知っちまうわけで…
まさか先輩に恋人がいるなんてさ…考えたこともなかった。
しかも、隠れてキスしてるトコ目撃しちゃうってさ…
流石に”終わった”って思ったよ。
どんだけ俺ついてないんだろう、って…
憧れだけで終わらせよう、って…
でも無理だった。
一度胸に灯った恋の炎は、中々消すことが出来なくて…
結局俺は、先輩が卒業を迎えるまで、この燻るような淡い恋心を胸の奥に抱き続けてきた。
絶対叶わない、って分かってるのに…
だって大野先輩の隣にいる時の櫻井先輩、超幸せそうな顔してんだもん。
俺なんて敵いっこないよ。
だから決めたんだ。
どうせ終わらせなきゃいけない恋なら、思いっ切りぶち当たってから終わらせよう、ってね?
俺らしくないけど…