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Welcome to our party 2 【気象系BL】

第94章 双愛 by millie


翌朝、いつものように310号室を覗く。

昨日の夜、寝るのが怖いと言っていた智くんが眠っている。
今、彼はどんな夢を見ているのだろう…。
そっと近寄り薬の副作用で抜け落ちて少なくなった髪を何度も撫でた。

そっと開いた瞳が俺を捕らえる。

「ごめん…起こしちゃった?」
「ううん、今日も起きれた事が嬉しい。しかも…」
「しかも…なに?」
「ふふふ…。

 あのね先生に頭撫でられるとね、なんか安心するの。だからすごく気持ちよく起きれた」

ふわりと笑った智くんの手が俺の頬に触れる。

「なんで泣いてるの?」
「昔ね、同じことを言ったヤツのことをね…思い出したから」
「先生の大事な人?」
「そう、もう居ないけど…でもここにいる」
「ここに?」
「うん…1度はなくしたけどまた見つけたから」

和、俺、この手を取っていいかな?
そこで見てるんだろ?お前の分も幸せにするから…。

「智くん、まずは俺と病気に勝とう?絶対に治してみせるから」
「翔先生の目…すごく綺麗。その目は信じられるから…僕、頑張る」

俺の目を覗き込む智くん。
もしかして見えてるのかな?和の姿が…。

和…俺、前に進むよ…。
お前の望むように早くはないけど1歩1歩進むから…。

智くんの小さな身体をそっと抱きしめる。

俺たちの…しあわせはここにある。



《END》
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