Welcome to our party 2 【気象系BL】
第93章 手紙-サランヘ- by のさまじょ
「本当に、足洗うんですか…?」
相葉が寂しそうに俺の後ろに立ってる。
「ああ…もう、人身売買は懲り懲りだよ…」
「一体何だってこんな急に…」
ブツブツ相葉は言ってるけど、俺は振り返らなかった。
完全に足を洗うことはできなくて、死んだニノの代わりに大野のじいさんの世話をすることになった。
「ほんと、どうしちゃったんですよ…」
「どうもしてねえよ…」
コトリと音を立てて骨箱を持った。
「なんすかそれ?」
「別に…なんだっていいだろ」
ニノ…
おまえのお陰で、俺は人に戻れそうだよ。
人を人とも思わないあんな世界で、俺はどうかしちまってたんだ。
おまえのあの手紙が、俺をまっとうな世界に戻してくれた。
人として生きることを忘れそうになってた俺を戻してくれた。
ありがとう…
「さ、行くか…ニノ…」
小さくコトンと鳴った骨箱の音が、ニノの返事に聞こえた。
END