Welcome to our party 2 【気象系BL】
第83章 スイッチON! by mimimama
「おはようございます、櫻井です。潤くんを迎えに来ました」
「はーい、お待ち下さい」
インターフォンから流れてくる翔くんの声と、それに応える母親とのやり取り。
この1ヶ月、平日限定で繰り返されている。
「潤、早くしなさい」
「分かってるよ。行ってくる」
鞄を引っ掴むと、足取り重く玄関に向かった。
ドアを開けると、門扉の前に笑顔の翔くんがいる。
「おはよう」
「おはよ…」
挨拶するのさえ面倒だった。
だってこれで今日も、強制的に学校行きだ。
「ほら、乗って。遅刻しちゃうから」
「うん…」
開けてくれた後部座席に座ろうとすると、今日は先客がいた。
「和!?」
「おはよう」
「なんでいるの?」
「ほら、話は乗ってからにしろって」
若干苛立ち始めた翔くんの声に押されて、慌てて車内に乗り込んだ。
「行くぞ」
「うん…」
俺が通う高校に向けて車が出発すると、隣にいる和をちらりと見た。
「俺が何故いるかって?」
「うん…なんで?」
「昨夜、翔ちゃんに勉強教えてもらったんだ。で、泊まったついでに潤くんを見送ろうと思って付いてきちゃった」
そう言うと、和がにこりと微笑んだ。