Welcome to our party 2 【気象系BL】
第82章 ジャングルジムのおまじない by うめ
「潤くん…」
「まさか…かず…!?」
一瞬、幻かと思った。
「久し振りだね…」
「………」
「元気そうで…よかった」
目の前に立つ…変わらない子犬の様な微笑みにギュッと心を掴まれる。
「潤くん?」
「あ、あぁ…俺は元気」
「そっか」
また笑った…。
本当に…変わらないな。
あの時より随分大人になったのに…。
「潤くん学部は何処なの?」
「えと…」
「潤お待たせ!」
後ろから走ってきた翔が俺の肩を叩く。
「知り合い?」
「あ、うん。幼馴染み…」
「ふーん。櫻井翔です。宜しく」
「………二宮和也です。じゃあまた潤くん」
「あ…かず…」
踵を返し廊下を走っていくかずの背中を…俺はただ見ている事しか出来なかった。
「行こう」
「あ、うん…」
翔に腕を引かれ、俺はかずとは反対方向へと歩き始めた。
かず…覚えてるか?
俺と交わしたあの日の事…。
俺は…忘れてないよ…。