Welcome to our party 2 【気象系BL】
第78章 願い叶うなら… by ガーベラ❤
「じゃあ、翔くん...行ってくる」
玄関でくるりと振り返って、潤は俺を見つめた。
今にも涙が零れそうな、キラキラした瞳が俺をじっと見つめている。
スーツのポケットには『enjoy』の赤い文字...
そのセンスは、どうかと思うけど...
「カッコいいよ、潤...それならニノに負けてない♪頑張って!」」
「...翔くん!!」
潤が俺の首にしがみ付いた。
「翔くん、今までありがとう。楽しかったよ...」
「俺もありがと。これからも、側にいるから...」
「うん...」
俺達のやり取りを、隣でじっと智くんが見ていた。
明治神宮まで送っていくため。
そしてその後は、潤は智くんと家に帰る。
「後は、頼むね」
そういう俺に、智くんはゆっくりと頷いた。
占いなんかにここまで傾倒して、と軽蔑されるかもしれない。
それでも、俺達は『山の頂を極める』そう信じて、今までやって来たんだ。
俺は潤を愛していたのか?
それは分からない...
でも...
こうして、智くんと出て行く潤を見送った俺は、胸の奥の小鳥がザワザワ騒ぐのを、必死に抑えていた。