Welcome to our party 2 【気象系BL】
第77章 大人への階段 by みきちん
「ねぇ、潤」
「ん?」
「振られたんでしょ?」
「なっ、何言ってんだよ!」
成人式を終えた俺は、
和也とカラオケに向かった。
きっと家には婚約者の雅美さんがいるから。
「ホント、バレバレ」
和也とは幼馴染で、気心知れた仲。
というよりは、気心を知られ過ぎた仲。
何でも俺の事はお見通し。
「うっ、うっせーな。どうでもいいだろーが」
「良くないもん!」
和也がテーブルから身を乗り出すと、
俺のネクタイをグッと掴んで立ち上がらせる。
「お前っ、なに……」
「ずっと待ってたんだから!
ずっと……好きだったんだから……」
痛いくらいの和也の想いが
ボックス内に響いた。
兄さま……
誰かに想われ続けるって幸せだね?
兄さまには雅美さん。
俺には和也。
俺たちの未来には2人が隣にいるのかな?
「和也」
涙が流れていく赤みを含んだ頬を包むと、
和也の唇に俺の唇を重ねた。
和也と俺との始まりのキス。