Welcome to our party 2 【気象系BL】
第8章 少女漫画みたいな恋 by みきちん
一番後ろの席に座っているのに、
背後から視線を感じる。
それも一瞬じゃなくて……
長い時間、見られているような気がする。
しかし振り返ると黒板と担任の動きを
ジッと見つめ、メモを取っている。
気のせい?自意識過剰?
願望……んな訳、あるか!
変な考えを吹き飛ばすように、
首をブンブンと振っていたら
「わからないところでもあるのか?」
「えっ?」
声の方に首を動かすと、
目の前に松本先生の濃い顔があり、
ビックリして身体が跳ねる。
「どれがわからない?」
俺のノートを前のめりで覗き込む。
さっき体育の授業だったからなのか、
汗とシャンプーの香りがふわりと鼻に届く。
「櫻井?」
「あっ、これがわからなくて……」
クラクラと揺らめく気分を払拭するため
勉強モードに頭を戻し、
解いている途中の問題を指差した。
「あっ、これはね……」
俺のノートに松本先生の書かれた
数字や記号が並んでいく。
なぜかそれが嬉しくて……
俺の世界に松本先生の世界が
広がっていくようだった。