第74章 和合　by millie

もやもやした気持ちのまま、それでも俺たちの関係は変わらなかった。

「智、式典終わったらすぐ帰ってくるから」

「ゆっくりして来いよ。久々に会うんだろ、友達と」

「だって智、ご馳走してくれるんでしょ？」

「あぁ、成人の祝いだからな」

「じゃ、ダッシュで帰ってくる」

そう言って出掛けたのに何時まで経っても帰ってこない。
携帯も出ないしLINEの既読もつかない。
心配と苛立ちで爆発しそうになった頃、帰ってきた。
早く帰ると言った潤を引き止めて飲ませすぎたと送ってきた子に謝られた。

「お前なにやってんだよ」

「うーんと、お酒飲んできた！だって大人だし」

ニコニコしながら言う潤に妙にムカついた。

「お前、嫁なんだろ？なにこんな時間まで飲んでるんだよ！」

「だって…俺、智が好きだけど…智は俺のことそんな風に思ってないじゃん！
　大人になったらって言ったのに…一緒に居てもなんにもないじゃん！だから！」

気がついたら潤を抱きしめてその口を自分の唇で塞いでた。

「言ったな？だったら覚悟もできてるんだよな？」

「智？」

「お前のこと、愛していいよな？」