Welcome to our party 2 【気象系BL】
第74章 和合 by millie
「これから暫くこっちに篭もるから…、たまには友達と遊んでこいよ。
飯とか気にしないでいいから…」
仕事部屋からこっちを見る眼差しに頷くしかない。
フリーのグラフィックデザイナーの智。
かなり売れっ子で仕事はひっきりなし。
家の空いてる一部屋をオフィスにしてる。
そこだけは出入り禁止なんだよね…。
そして、そこに篭ってる時は絶対に邪魔しちゃダメ。
これがこの家に押しかけた俺に智が唯一、厳命したこと。
食事もなにも不要だって。
でもさ、それじゃ心配じゃん。
だから食べやすそうなものを作っては部屋の前に置くようにしてた。
いつの間にか綺麗になってるお皿にホッとしたんだ。
「わかった。邪魔はしないから…。
無理はしないでね。お仕事、頑張って」
「あぁ、ありがとな、潤」
頭の上で智の綺麗な手がポンポンと跳ねた。
それだけで心がきゅんってなった。
別に男が好きなわけじゃない、智だから好きなんだ。
この気持ちは智と結婚したいといったあの日からぶれてない。
女の子とも付き合ってみたけど…触れられただけでドキドキするのは智だけ…。
弾む気持ちのまま部屋に引き返すと隠しておいた智の服を取り出してそっと自分の体に掛けた。