Welcome to our party 2 【気象系BL】
第73章 予兆 by のさまじょ
雪の降る夜だった。
週末のその日は深夜まで残業で。
深々と降り積もる雪を眺めながら、自家用車を運転して帰っていた。
車のライトに照らされる道路は除雪の後で、薄っすらと雪が積もっている。
やっと車内に暖房が効いてきて、ドアの窓が曇り始めた。
ダッシュボードからタオルを取り出して拭こうと身を乗り出した瞬間、道路に人が居るのが見えた。
「あっ…」
慌てて急ブレーキを踏んだ。
ザァっと音を立てて車は急停車した。
「あっぶね…」
衝撃を感じなかったから、轢いてはいないはずだ。
だけど、道路に目を向けると人影はなかった。
慌てて車から飛び出すと、道路に人が倒れていた。
「嘘だろっ…」
もしかして当ててしまったか。
雪の中に横たわる男に駆け寄って声を掛けるが、ぴくりとも動かない。
「救急車…」
懐からスマホを取り出して通話をしようと操作していたら、男が目を覚ました。
「大丈夫ですか!?」
俺を見上げると、ゆっくりと起き上がった。
「大丈夫…」