Welcome to our party 2 【気象系BL】
第72章 彼は誰時 ─Before dawn─ by あにゃ
「おい潤、大丈夫かぁ?」
成人式で久しぶりに高校時代の同級生と会って。
初めて居酒屋に行って酒を飲んで。
気が付いたら、車の後部座席に座ってた。
その声は…
「…翔さん?なんで?」
運転席には、見知った顔。
「和也がおまえと雅紀が潰れたから迎えに来いってさぁ…。ったく、いきなり飲み過ぎてんじゃねぇよ」
そう言われて横を見ると、大イビキを搔きながら眠ってる雅紀の姿。
「もう~、2人とも調子に乗りすぎ」
助手席からひょいっと顔をだした和は、全然酔ってなかった。
「2人が浴びるほど飲んでるから、こっちは心配で酔ってられないっての。兄さんが休みの日で良かったよぉ。タクシーで帰るお金なんてないんだからね!」
「ごめん…翔さんも、すみません…」
「まぁいいさ。成人して一発目でこれなら、もう失敗しねぇだろ?」
久しぶりに会った翔さんは、記憶の中よりもずいぶん大人っぽくなっていて。
智も…
きっと大人っぽくなってるんだろうな…
20歳で止まったままの兄の姿を、脳裏に蘇らせると。
車窓を流れていく景色が滲んで見えた。