Welcome to our party 2 【気象系BL】
第69章 おかえり by のさまじょ
ゆらゆら揺れる室内。
いつものようにベッドに横たわるおまえ。
「お水…ちょうだい…」
細くなってしまった腕が伸びてくる。
「お水…のど、かわいた…」
「ごめんね…さっきので最後なんだ…」
「そう…」
落ち窪んだ目は虚ろで…でも光は失っていない。
外は放射能の嵐で出ることができない。
世界が滅んでしまって、三ヶ月―――
俺たちはこの海に浮かぶシェルターの中で、なんとか命を永らえていた。
食料は二ヶ月分しかなかった。
しかもこのシェルターは一人用で。
作った奴は何を考えていたんだろう。
こんなところに何ヶ月も一人で人間が生きられると思ったのか。
そんなの、無理だ。
「智…」
「ん…?」
「智は…変わらないね…」
俺は、モルモットだった。
天涯孤独の身で、それでも細々と生きていた俺の趣味は海釣りで。
ある日、海に落ちて…
気がついたらこのシェルターが収納されていた大きな船にある施設に閉じ込められていた。
人体実験…
俺は何かの薬品の、実験体で。
雅紀は俺の担当研究員だった。
核爆弾の降り注ぐ中、混乱している他の研究員をぶち殺して…
雅紀は俺と、このシェルターに潜り込んだ。