Welcome to our party 2 【気象系BL】
第66章 三位一体 by みきちん
「大野、ちょっといいか?」
「はい」
櫻井課長に呼ばれデスクに向かうと、見慣れない人がいた。
「今日からうちで働く二宮だ」
「宜しく……お願い致します」
小さな声で挨拶され、ペコリと俺に頭を下げる。
「こちらこそ……でも、どうして俺に紹介するんですか?」
「パートナーとしてついてもらうから」
「それは…っ!」
「大野、これは命令だ」
いつも優しい櫻井課長の声が、一段階低くなった。
俺のパートナーは雅紀。
他の人なんて嫌だ。
だから雅紀がいなくなってから特定のパートナーが就くことを拒否し続けた。
「お前の気持ちはわかるが、いい加減……前を見ろ」
「……はい」
返事をすると俺はデスクに戻った。
ガラガラ…
隣で椅子を引く音が聞こえた。
デスクの上に二宮くんの私物が並んでいく。
俺にとって唯一の雅紀の痕跡だった席は二宮くんの席になった。