Welcome to our party 2 【気象系BL】
第63章 リユニオン~巡り逢えたら~ by うめ
「大野さん大丈夫ですか?」
肩を揺さぶられ、ハッと我に返る。
二宮先生を見ると…ハンカチを差し出していて。
頬に触れると俺はボロボロと泣いていた。
「俺…泣いて…」
「ボンヤリされたと思ったら…急に…」
「すみません…ありがとうございます」
ハンカチを受け取り涙を拭う。
俺…どうしたんだ?
今…一気に記憶が溢れ出した様な…。
すると、扉がノックされ、受け付けの男性が入って来る。
「失礼します」
「松本くんどうした?」
「すみません。次の患者様がお待ちです」
時計を見上げるととっくに時間は過ぎていた。
「しまった。こんな時間…大野さんすみません」
「いえすみません。ありがとうございました」
「じゃあまた。次回もこの時間に」
「はい。失礼します」
頭を下げて部屋を出て行くと。受け付け前のソファーに座っていた男性が立ち上がる。
次の患者さんなんだろう。
頭を下げて通り抜けようとすると、肩がぶつかった。
「ご、ごめんなさい」
「いえ、すみません」
反射的に顔を上げると…俺の思考は止まった。
そして目の前の彼も…俺を見つめて驚いていた。
初対面。初対面だけど…俺…俺の…。
「………智…」
「ま…さき…」
どちらからともなく、俺達は抱き合った。
「ええっ!?」
助手の松本さんが驚いた。
でも俺達はそんなの気にしなくて…。
「やっと…見つけた…」
「遅くなってごめん」
やっとやっと…また出逢えた…。
今度こそ…幸せに…。
雅紀…。
ーTHE ENDー