Welcome to our party 2 【気象系BL】
第2章 ドロップ by うめ
「初めまして。松本潤です」
「さ…櫻井翔です。宜しくお願いします…!」
初顔合わせのその日。
濃い端正な顔立ちに俺は目が離せなかった。
「櫻井くんはいくつなの?」
「あ…えっと…19です」
「そっか若いね…。これから1ヶ月半頑張ろうな」
「は…はい!宜しくお願いします」
その笑顔に…俺は作品と同じ様に心を掴まれたんだ。
「え…男同士のラブストーリー…ですか?」
テーブルに置かれた台本を取りパラパラと捲る。
「本来なら二宮に来ていたオファーなんだけど…主演映画の撮影とダブってしまってな。頭下げて新人のお前でオッケー貰ったんだ」
「………でもこれ…」
高校を舞台にした男性教師と男子生徒の禁断のラブストーリー。
豊富に散りばめられたキスシーン。そして最後には2人が結ばれるシーンがある。
しかもそれはかなり過激な濡れ場だった。
役者を目指し幾度のオーディションを経てやっと雇ってくれた事務所。
人気俳優の相手役なんて…新人の俺に回って来るような仕事なんかじゃない。すがり付いてでも欲しいと思う。
けれど…俺にはあまりにもハードルが高過ぎる。
しかし断るなんて事出来ない。
「………やります」
そう社長に伝える事しか出来なかった。