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Welcome to our party 2 【気象系BL】

第49章 時告 by millie



目覚めた時、そこに智くんの姿はなかった。

あんなに肌を重ね、熱を伝えあったのに…まるで幻のように消えてしまった…。

でも…手元に残された一通の手紙と時を刻み始めた時計。
それが夢でないと教えてくれた。

智くんは…俺の智クンの双子の弟だった。
生まれてすぐに彼らの母の双子の姉のもとに実子として引き取られた智くん。
二人はそれを知らずに兄弟のように育ったと記されていた。

あの時計は智くんが作ったもの。
そして直してくれたのも…。

手紙には『前に進め』と、それが兄の願いだとあった。

俺がちゃんと前に進んだら…そのときは側にいたいと…。
それまで探さないで欲しいと手紙には書かれていた。

二人の智君からの精一杯のエール。

あの夜、智くんの涙を見た。
そこに見えた君の気持ちを信じるよ。
俺、前に進むよ、智クン。

そしていつか…貴方の大事な人をもう一度抱ける日が来たら決して離さないから…。

貴方の望むように貴方の大事な人と時を刻んで行くから…。

見守っててね?

再び時を刻み始めた時計をそっと手で包んで空を見上げた。

智くんが笑ってくれた気がして…俺もようやく笑えた。

待っててね、必ずもう一度…。



<END>


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