Welcome to our party 2 【気象系BL】
第46章 number00-SS- by のさまじょ
3月の下旬になって、向かいの席の教師が転任していった。
入れ替わりですぐに俺が教育を担当するという新任の教師がくるという。
どうやらそいつは、大学を卒業してから一般企業に勤めていたらしい。
だが、長年教師への夢が捨てきれず、やっと夢を叶えにこの学校へやってくるということだった。
学年主任からこの話を聞いて、余計に気が重くなった。
そんな前途に希望を持ってるような人、俺に教育できるのかなあ…
新年度の体制用に、職員室も席替えを開始した。
新任の教師はまだ到着していないので、デスクの移動は俺がやった。
俺は今度の一学年の担任になる。
新任の教師は、科学の教師だということだ。
「よっこらせ…」
同僚教師と一緒にデスクを動かし終わると、軽くデスクを台ふきんで拭き清めた。
ふと振り返ると、真後ろに誰か立っていた。
「ふあっ!?」
「あっ…すいません、驚かせました?」
それは、懐かしい姿だった
「ショウ…」
「あ、ハイ。新任の櫻井翔です。よろしくお願いします」
ペコリと頭を下げた男は、ショウそのものだった。
櫻井先生は荷物をデスクに置くと、俺に振り返った。
「これから、よろしくお願いします!大野先生」
にっこりと笑った顔は、朝のショウの笑顔
その笑顔のまま、櫻井先生は呟いた。
「やっと…逢えたね…智…」
「え…?」
俺達の時間は、今…また動き出した
【END】