Welcome to our party 2 【気象系BL】
第44章 君と描く未来、その先へ… by Namako
時計の針が5時を差すと同時に終業のベルが鳴る。
机の上に散らかった書類を適当に纏め、PCの電源を落とし、
「お先に…」
と、周りの同僚に声をかけ、オフィスを出た。
地下駐車場に停めた車に乗り込み、助手席に放り出された青い封筒を手に取った。
「仕事が終わってから見てね」
出掛けにそう何度も念押しされた。
律儀にも俺はその約束を守っていた。
簡単に糊付けされた封を指で切り、中身を取り出すと…手書きの招待状…?
しかも今日じゃん…
招待状に記された住所をナビにセットし、俺は車を発進させた。
暫く車を走らせ着いた先は、智君がバイトしている絵画教室のすぐ目と鼻の先にある、小さな雑居ビル。
招待状にはこのビルの2Fと書かれている。
コインパーキングに車を停め、薄暗い階段を登って行くと、無数の声の中に馴染みのある声が俺の耳に飛び込んできた。
えっ、潤、それに雅紀とニノ…?
俺は残りの階段を一気に駆け上がった。
えっ、何これ…
階段を登り切った俺の目に飛び込んできたのは、
『Sato個人展』
の文字で…。
それを見た瞬間、俺は呆然としてその場に立ち竦んだ。