Welcome to our party 2 【気象系BL】
第19章 冬隣 by つぎこ
夕べは風が冷たくて…。
仕事帰り、
足早に通り抜けようとした公園。
落葉樹の寒々とした様相に、余計に冷たさが増す。
だけどこの寂れた感じ、俺は嫌いじゃない。
派手なイルミネーションに飾られてしまうより、ずっとマシだから。
だけど…。
「…ちょっと寒すぎじゃね? 」
寒いのはね、苦手なんだ。
カサカサと転がる落葉。
寒さを紛らすように踏みしめ、黙々と歩く。
「…あれ? 」
落葉にまみれた靴の先。
突如そこに、何故か鮮やかなグリーン。
正確には、鮮やかなグリーンの手袋…。
誰かが落としてしまったんだろうか。
拾い上げてはみたものの、さてどうしたものかと暫し思案する。
届け出るのも面倒だし、
元に戻してしまうのにも気が引ける。
取り合えず…
持ち主の目に留まるよう、近くの枝に引っ掛けてみた。
枯木にグリーンの…。
意外に嵌まるビジュが、シュールで笑えた。