Welcome to our party 2 【気象系BL】
第18章 深愛 by きぃな
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「…キ、雅紀?」
俺を呼ぶ声に目を覚ます
「どうした?なんで泣いてるの?」
言われて初めて泣いていたことに気づく
「え、えっ、なんでだろ?」
「ふふっ、怖い夢でも見た?」
ふわりと潤が微笑う
その顔がとても愛おしくて、でも胸がぎゅっうっと締め付けられて、また涙が溢れる
「雅紀?」
心配そうに覗き込む潤
「潤っ、なんでかわかんないんだけど、悲しくて、切なくて…」
俺は潤を抱き寄せた
「潤は…どこにも行かないよね?」
「どこにも行かないよ」
「ずっとずっと俺の傍に居てくれるよね?」
「当たり前だろ」
即答されるその言葉
胸に広がっていく安堵感
「潤…っ」
その身体をきつく抱き締めて、ふと顔を上げる
そこにはどこから迷い込んだのか、ひらひらと舞い落ちる一片の黒い羽根
なぜかまた込み上げる涙に視界が霞む
潤と二人で
もっともっと幸せになるから……
そう誓わずにいられない
俺はその羽根を手のひらで受け止める
何故か伝わってくる温もりに
『俺たちの分も、幸せに……』
どこか遠くに声が聞こえた気がした…
お・わ・れ♡