Welcome to our party 2 【気象系BL】
第18章 深愛 by きぃな
チカラを使えないこの棘の森を忌々しく思う両者
現状で劣勢だった悪魔側が強行手段を取ったようだ
みるみるうちに火の手が回り、小屋にも攻め寄せる
大きな音を立てて蹴破られた扉
「そこで何をしている」
「天使の司令官だ、討ち取って名を上げろ」
響く怒号に数名の悪魔がなだれ込む
「マサ…っ」
俺を守る様に立ちはだかったジュン
その背中に広がったのは
──黒い羽根
「ジュン…っ」
黒い羽根は、堕天の証し
「俺は…何があっても、白い羽根を棄ててでも、マサキと生きると決めたから…」
振り返ったジュンが儚く微笑う
その口の端から伝う一筋の紅
「ジュンっ!」
倒れ込むその身体をしっかりと抱き留める
その胸には突き立てられた短剣
みるみる一面が紅に染まっていく
「マサ……愛してる…」
「ジュン、ジュンっ!」
俺は潤の紅に染まりながら、その身体を強く抱き締める
刹那、俺の背に焼けるような痛み
「っ、ウッ、ああ…っ」
目の前に迫る炎、卑しく響く笑い声の中、俺はジュンに折り重なるように倒れ込む
ジュン…
愛して…る……
俺もすぐ傍に…
俺はジュンの黒い羽根に顔を埋めた