Welcome to our party 2 【気象系BL】
第16章 暁闇 by millie
陽の光が地上を染める頃、城から人が出てきた。
その人影に馬車が近づく。
「潤…ありがとう。弟を…頼む」
「これで良かったのか?他に方法は…?」
「今まで雅紀に背負わせてたのは僕だから…。今度は僕が…」
ふわりと笑う顔には強い決意があった。
ぐったりとした雅紀を抱いた潤が馬車に乗り込む。
馬車を見送る影。
碧い指環が光る手を振る人とその人に寄り添う赤い衣が目に焼き付いた。
目指すは人々から忘れられた地。
目覚めた雅紀が問う。
「潤…なんで?」
「お前を愛してるから…。共に生きたいから…」
「でも…こんなことしたら…」
「それは…大丈夫だから。『幸せに…』って。だから…雅紀の気持ちを教えて?」
「潤……ずっと好きだった…。ずっと…一緒にいたい…」
涙を零しながら初めて望みを口にする雅紀に潤が口づける。
「約束する…永遠に…共に…」
二人の未来を照らすように陽の光が射し込んだ…。
【了】