A dream continues.【D.gray-man】
第1章 欲しいものは君だけ
「ー!」
朝、食堂前の廊下で会いたかったあの子の姿を見つけた。
嬉しくなっていつもの様にハグをしに走ればオレらの間に立ちはだかるのはアレン。
いくらお兄ちゃん替わりだからって、別にいいじゃんかー。
いっつもいーっつもに頼られて引っ付かれて甘えられてさ、ずりーっての。
リナリーにならまだ分からなくも…ない…多分…。
「あの、邪魔ですよ」
いつもの様にニッコリと、黒ーい顔でこちらを見てるアレン。
仕方なしにハグを諦め最初に尋ねたかったことを口にする。
「今日、は任務あるさ?」
「今日はないですけど、どうし「は僕と稽古です」
いつもの様に表情を変えること無く答えようとしている所をアレンが被せる様に遮った。
「は、なんでアレンが…」
「なんでもです」
の頭を優しい手つきで撫で、は猫のように目を細めそれを受け入れている。
そんな光景になぜかツキリと小さな痛みのようなものを心の奥底で感じ、顔を顰めてしまう。
どうして、という彼女の問に未だに答えられずにいると不意に彼女に顔を覗き込まれた。
「あの、どこか具合悪いですか…?」
色の違う二つの目で見つめられれば大丈夫さー、なんて笑って誤魔化す。
「非番なら、甘いもの食べに行こうと思っただけさ、稽古なら…「行きます。」え?」
被せる様に答えたに驚くとは、あ、と自分の手で口元を覆った。
すると今まで黙っていたアレンは諦めたように呟く。
「…勝手にして下さい」
そう言って立ち去ろうとしたアレンの団服をは捕まえ、帰ったら晩御飯の後に稽古お願いします、なんて頼めばアレンはちらりとこちらを見て、オレの方を見て再び黒ーい笑みを浮かべていいですよ、と頭を撫でて立ち去った。
オレは、に1時間後に門前で、と告げてアレンの後を追いかけた。