第2章 サクラ散る頃
あれから少しして、家に帰った。
玄関を開けると、夢主(妹)が頬を膨らませて仁王立ちしてる。
「おかえり!お姉ちゃん!どういうこと?」
怒ってる。
怒ってる夢主(妹)には申し訳ないけど、その姿が可愛くてうれしくて笑ってしまった。
夢主(妹)と話をしよう。
私のこと、一君のこと、原田先生に甘えたこと…そしてあのコのこと、全部話そう。
笑うなぁぁ!とさらに怒る夢主(妹)に、ごめんごめん、と逆なでするような軽い謝罪をして、私はミルクティーを二人分いれた。
私の部屋に夢主(妹)の布団も持ってきて、今日は二人で寝よう。
泣いたり笑ったりしながらいろんな話をした。
なかなかLINEを送ることができなかった一君にも、勢いで「今日もおつかれさま。おやすみ」って送った。
昼休みは一君に会えなくて、一君かと思ったら総司で腹が立ったとか、
土方先生あの呼び出し方はどうなのよとか、伊東先生ってなんなの?とか、
原田先生に電話したら家まで迎えにきちゃったよ、とか…
夢主(妹)と一緒に今日一日の出来事を全部笑い話にした。
勢いで送ったLINEに返信はなかったけど、なんだか気持ちがすっきりだ。
夢主(妹)からもいろんな話を聞けた。
剣道部での総司がものすごい強いこととか、怖いこととか、優しいこととか、クラスの女子に総司ファンがいることとか…
ん?総司のことばっかり?と思ってつっこめば、夢主(妹)は真っ赤になってしまったり。
そして、
「でも、私のことはきっと、妹みたいなものなんだろうな……。」
と、切なく言い出すものだから、
「今日…体育館で見た夢主(妹)と話す総司は、はじめて見る総司だったよ?」
あんな優しい目をした総司はじめて見た、と付け足して、普段の総司の意地悪さ加減を話した。
今は切ない心は置いといて、二人で全て笑いとばそう。
ケラケラと、夜中に二人で大笑いをする。
明日は久しぶりに一緒に買い物に行こう、と約束をして、私達は眠りについた。