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白いカーネーション

第2章 ◎暖かい背中


「どうする?
 このまま消えてもいいし、
 お別れ言いに行ってもいいし。」


グッと伸びをして
私を横目に見た。


まことちゃんと風磨君には
ちゃんというとして…


家族には…



「会いたくないな。」



「じゃあ、会わなきゃいいじゃん。」




慧さんは微笑んで
財布の中から
レシートを取り出した。



「これにメモ残してさ。
 それなら大丈夫でしょ?」



そっか、その手があったか。

とりあえずまことちゃんたちに
このことを言おう。
今まで、私が困ったら
いろいろ助けてくれたし。



「じゃあ、行こっか。」



私の手を握って
小走りで元の場所へ向かった。
繋がれた手が熱くて
顔を俯かせた。



「あ、帰ってきた。
 二人ともお帰り―。」



さっき私たちが座っていた
木材に腰かけてた二人が
私たちの元に駆け寄って来た。



「あのね、私…。」



いざ言うとなると
緊張して言葉がつまる。

それが伝わったのか
慧さんが私とまことちゃんを
交互に見た。


そして
私の肩に手を回し
もたれ掛るような態勢になった。


「まことちゃん、お兄さん。
 いきなりだけど
 波留ちゃんのこと
 もらっていくね?」



「はぁ?」



声を上げたのは風磨君だった。
普段あまり声を上げないから
皆唖然とした。


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