NONFICTION【家庭教師ヒットマンREBORN!】
第7章 約束だから
スクアーロside
任務を終え、いつもの屋敷へ帰還した
真夜中の屋敷は寝静まっていて静かだ
月明かりに照らされた廊下を辿り、自らの部屋のドアノブを回す
建て付けが悪いのかギィという音を立てて開く扉の先に、スヤスヤと眠る叶風の姿を見つけた
隊服を脱ぎ、剣を外す
ガタッ
音に驚いて後ろを振り返ると、椅子で寝ていた叶風が体制を崩したのか、半分椅子から落ちかけていた
「ったく、大人しくベッドで寝てりゃぁいいものを…」
叶風を抱き抱えると、そのままベッドへ向かう。
起こさぬように寝かせ、布団をかけようとしたがその手は叶風の姿を見たことで止まってしまう
俺が貸したTシャツ、短パン
サイズがあっておらず、落ちた衝撃と運んだ衝撃で短パンはズルズルと下がってきていて、Tシャツも所々めくれている。
そこから見えた叶風の肌…
──やめよう…今はコイツも俺も疲れてんだ
余計な事は考えないで寝よう、そう叶風の隣に横になった
「…寝れねぇ」
疲れているはずなのに、全く眠気が襲ってこない。
寝返りの音を聞いて叶風の方を向いてみた
すると、叶風はベッドの隅っこで丸まって眠っていた
そんな隅っこじゃァ、また落ちるだろうが…
叶風の背中に手を回し、ベッドの中央まで引っ張る
ここまでなら隅へ行っても落ちはしないだろう
変な癖だな
そうなった理由はおおよそ想像がついた
何かとコイツは、人と一定の距離を保ちたがるし、自分が傷つくことに恐れを感じていないように思える
戦い方を見てそう思った。
自分を捨て身にする戦い方を
その行動と言動が表す叶風の過去。
コイツの場合、わかりずらいことの方が多いが…
そう色々と考えているうちに眠くなってきた
スクアーロは朝に起こる事態を面倒だと想像しつつも、眠りに落ちた