藤ヶ谷先生、大好きですよ?3ーThirdSerieSー
第24章 ♡FinalStory♡ 消えないキズナ
『にゃぁ…』
「っ……黒、猫?」
(なんで黒猫が……)
すると黒猫はそのまま太輔のそばを通り走って逃げてしまった。
「っ……!」
(まさか……まさかな……)
黒猫は昔から不吉の象徴として見られることが多かった。
だが最近ではその逆で幸運を呼ぶとまで言われている……しかし太輔には、
「っまさか……百合の身に、なにか……」
いつ急変してもおかしくない百合の身体、
もしかしたら今日か明日に百合の身に何かあるのではないかと不安がよぎった。
「っ……そんなの……黒猫なんて、ただの迷信。
黒猫だってどこにでもいるし珍しくない……ただ、迷い込んだだけだ……」
「太輔~っ!」
「っ!?」
(っ百合……?)
太輔は百合を探すように辺りをキョロキョロさせた。
「ここだよここ!上見て!」
「っ……」
上に視線を向けるとドレスの試着を終えた百合がバルコニーから手を振っていた。
「なーに驚いている顔してんの?
ドレス試着終わったからいこーっ!」
「あ、あぁ!今行くよ。」
「はーい♪」
「っ……やっぱり、さっきの黒猫は違うよな(苦笑)
百合、あんなに元気だし……でも、」
(百合の寿命は後数える程しかない……せめて、
明日は何も起きませんように……
無事、
式を終えられますように……。)