藤ヶ谷先生、大好きですよ?3ーThirdSerieSー
第22章 ♡Story69♡ ふたりが出会えたキセキ
『いやぁぁぁぁ!!』
百合が叫ぶのと同時に仮面を着けた人達は
何もなかったかのように全て消えていった。
力が抜けその場に倒れ込む百合。
『なん、でみんな……』
『百合ちゃん……幻覚なんかに惑わされないで?』
再びある人物の声が聞こえた。
それはさっきの軽蔑するような声ではなく、優しい声……
『……っ柊、さん?』
「お前がいいとこ取りか!柊!」
「ははっ…そんなこと、ないと思うよ?(笑)」
「ぜってー思ってるだろ!」
『まだ彼が死んだなんて決まってないよ?』
『っ涼介さん……』
「あ!俺だぁ!なんか嬉しい(笑)」
_ギロッ「……(睨)」
「うおっ…!な、なんですか裕太さん!(涙)」
「俺が悪役でなんでお前がいいとこ取りなんだよ(黒笑)」
「僕のせいにしないでくださーいっ!(涙)」
百合の目の前には柊と涼介の二人がしゃがみ込んでいた。
『今のは全部、百合ちゃんの幻覚だよ……
みんなちっとも君を責めてなんかいないよ。』
『っだって、私のせいで……太輔だって……私のせいだって……』
『あの幻覚は全部、君自身が作ってしまったものだよ……
だから誰も百合ちゃんを軽蔑なんかしていない。』
『っ涼介さん、柊さん……』
『『……(微笑)』』
『大丈夫だよ百合ちゃん、藤ヶ谷さんは絶対助かる。
百合ちゃんが決めつけちゃってどうするの?』
百合の右手を優しく包み込む涼介。
『百合ちゃん、自分を責めなくていいんだよ。
君は何も悪くない。彼だって、そう思ってるよ……』
柊は百合の左手を優しく握る。
『っ……』
二人の温かさに涙を流す百合。
「なんか、メチャいいとこ取り(照笑)」
涼介はすっかり照れていた。
「こっからは、もうラストスパートですよ(笑)」
『百合!』
『っ!?』
涙を流すのと同時に、再びあの声が聞こえた……。