藤ヶ谷先生、大好きですよ?3ーThirdSerieSー
第21章 ♡Story68♡ 両家家族のご対面
あれからしばらくが経ち季節は12月、
12月のとある日、この日は産婦人科での検診日であった。
「百合、お腹大丈夫か?」
「うん……でも、ちょっと気持ちわるいしだるいよ……」
「そっか……検査、何もなければいいけどな……」
「そうだね……お母さん、準備できた?」
「えぇ、もう出発できるわよ。」
「うん、じゃあ太輔……行ってくるね。」
「あぁ、何かあったら、すぐ連絡よこせよ?」
「うん、ありがとう。」
_産婦人科
「先生……赤ちゃんはどんな感じですか?」
「まだ、胎芽状態ですが今のところ異常はありませんよ(微笑)」
「そうですか……(微笑)」
ホッと息をなでおろす百合。
「つわりのほうとかは、大丈夫ですか?
妊娠2ヶ月目あたりはつわりが酷く悩まれる方が多いんですよ。」
「まぁ……吐き気はするんですけど、吐くことはないですね……
でも逆に、それが辛いですけど(苦笑)」
「食事も、取りたくない時が出てくると思いますがその時は無理に食べないでください。
食べられるときに食べられるものを食べてください。」
「わかりました、ありがとうございます。」
「……それと、」
「はい?」
「百合さん、急性骨髄性白血病の進行を和らげる薬を服用していますよね?」
「は、はい……」
「まぁ安全に赤ちゃんを産む前提とて、薬の服用は避けてほしいところなんです……」
「っ……そう、なんですか……」
「赤ちゃんの事を思うなら、
薬の服用をやめてほしいと言いたいところですがそうはいきません。
薬の服用をやめてしまったら、百合さんの病状は明らかに悪化し
出産にも何らかの影響が出るでしょう……」
「っじゃあ……!
私は、どうすればいいんですか……」
「……入院、です……」
「っ入院……?」
_コクッ「……。」
複雑な表情を見せ頷く光。
「……薮とも、話し合った結果です。
これが母子共に……少しでも安全な手法です。」
「っ……じゃあ、赤ちゃんを産むまでは家に帰れない……?」
「はい……もしかしたら、出産後に亡くなってしまう可能性も十分にあります。」