第20章 ♡Story６７♡　最後の文化祭

「ねぇ太輔……」



「なんだ？」



「なんか、北山家うるさいねー(笑)」←



「そうだな(苦笑)」



「にしても、赤ちゃんはママ派かぁ……」



「それがどうした？」



「ううん、私が死んだあとの太輔が心配だなーって(笑)」



「なんだよそれ(笑)
まるで俺が子育て下手みたいな言い方だな……一応子供相手の仕事してんだぞ……」



「それとこれは話が違うよ(笑)
先生は自分の子供の面倒を見るわけじゃないんだからさ！
幼稚園の先生だったらなんとなくわかるけどねぇ……」



「ふーん……」



「でも、そこはお母さんやお父さんに頼っていいともうよ！
もしくは太輔の両親にもさ！
はじめの子育ては、誰も初めてなんだから上手い下手関係ないよ……
太輔が、その子をちゃんと愛してくれればいんだからさ(微笑)」



「百合……」



「ふふっ(微笑)
でも、赤ちゃんが生まれたら私は太輔の一番じゃなくなるね……
それはそれでちょっと寂しいなぁ。ま、でもいっか！
大事な家族が、増えるんだから……(微笑)

私、絶対産むからね？この子を……


何が何でも死なせないから……」



「っ……あぁ、そうだな。
お腹の中の子は、死なせない……」



太輔は百合のお腹に手を当てた。



「……この中に、ひとつの命が宿ってるんだな……」



「うん、何億分の奇跡で生まれた……奇跡の子。
私たちの、たった一人の大事な子……。」



太輔の手に重ねるように手を置く百合。



「お腹……あと数ヵ月後には大きくなるんだよね……でも、
ちゃんと成長している証だもんね……」



「大丈夫……だってお前の子だぞ？お前に似て……きっと強い子だと思う……だから、
俺らは信じて待とう……無事、産まれるまで……」




「太輔……うん、そうだよね。ここで弱音を吐いちゃダメだよね……赤ちゃん、
聞いてるかも……ううん、ちゃんと聞いているんだよね。
こうした親の会話も全部……

大丈夫だよ？ちゃんと、ママたちであなたのこと守ってあげるからね……？」



「百合……。」









『まもなくキャンプファイヤー終了でーす！』