第20章 ♡Story６７♡　最後の文化祭

「でも前の和真くんは……大好きだよ？(微笑)」



「っ……！？」



「私は、前の和真くんが好き……泣き虫だった、あの頃が好き……」



「っ……」



「不良の和真くんは、あまり好きじゃないかな……」



「っ百合……お前……」



「最低な和真くんより、泣き虫な和真くんが……私は好き。
だから、私は今の和真くんを好きにはならないよ……。」



「っ……」



思わず涙が溢れてくる和真。



「ふふっ……やっぱり、和真くんは泣き虫だね……もっと、
強い男の子になってよね？
もう……私は守ってあげることはできないんだからさ……」



「っ……あぁ、お前にはもう……泣き虫なんて言わせねぇ……本当に、
強い男になってやるよ……いつかな……」



「がんばって……」



「あぁ……。」



「百合……九条……」



「……今まで、悪かったな。いろいろ見せつけたりして……でも、
楽しかったよ……アンタのおかげで、退屈しなかった……」



「……俺も、お前みたいなやつは初めてだったよ……
お前が百合と果たせなかった約束……俺が最後までやり遂げるから……」



「あぁ……そうしてくれ……」＿トンッ…



「っ……」



和真は太輔の左胸に拳を当てた。



「あとは、お前に託す……俺は所詮、百合の王子様になれない。
アンタしかいねぇんだ……俺は精々……弟止まりだからな……」



軽く笑う和真、そして百合と太輔の手を取り手を繋がせた。



「「っ……」」



「幸せなれよ、お二人さん……お前らの子供、楽しみにしてる……(微笑)」



そう言うと和真はそのままその場を後に去っていった。



「っ……和真くん……」



「……また、昔と同じ関係に戻れたんじゃないか？
お前らは……」



「……太輔も、そう思うの？」



「あぁ……アイツは、昔からお前思いだったと思うよ……心の底から、
嫌いになるなんてありえねぇだろ？」



「……うん、そうだね(微笑)
……ん？ああ！！」



_ﾋﾞｸｯ！「っ急に大声あげてどうした(汗)」



「フォークダンス……」



「え？」