藤ヶ谷先生、大好きですよ?3ーThirdSerieSー
第19章 ♡Story66♡ 最後のお仕事、新しい命
_保健室
_ガラッ「ちーっす…」
「っだから大丈夫だってば!降ろしてよ!」
「あら、九条くんと玉森さん。どうしたの?」
保健室には養護教諭の先生がいた。
「こいつ、朝来て早々腹痛めたみたいなんで……」
「っとにかくこっちに来て!」
「っだから……一時的なものなんですから大丈夫ですってば……
放課後、母と病院に行く予定なので……」
「何か、心当たりあるの……?」
「えっと……その……」
百合は気まずそうに和真に視線を向けた。
「……九条くん、ちょっと外に出て行ってくれないかしら?
二人だけで、話をしたいの。」
「……わかった。んじゃ外で待ってる……」
和真は一旦保健室を後にした。
「……。」
「……玉森さん、男の人には言いづらいことなの?」
「えっと、まぁ……実は、あの……」
「……。」
「まだ、決まったわけじゃないんですけど……私、」
「……。」
「……妊娠、してるかもしれないんです……。」
「っ……!?」
「……。」
「っ…玉森さん、まさか……」
「……。」
「っ……そう……」
先生は何とも言えない表情だった。
「……。」
「っとにかく……少し横になりなさい……」
百合をベッドに寝かせ、先生はすぐそこに置いてあった椅子に座った。
「玉森さん……もし、本当に妊娠していたらどうするつもりなの?」
「産みます……ちゃんと、責任を果たすつもりです。」
「赤ちゃんを産むことが、どれだけ大変なことかわかっているの?
貴女はただでさえガンに侵されているの……赤ちゃんを産むのに、
かなりのリスクがでるわ……それでも、産むつもりなの?」
「……はい、私が死ぬ代わりに赤ちゃんが無事に生まれてくれば……それで、
いいんです……」
「……貴女だけじゃない、赤ちゃんにとってもリスクが生まれるのよ……」
「それでも……産みます。少しでも希望があるなら……
まぁでも、赤ちゃんができたらの話ですけどね……」
「もし妊娠していたら……そうするのね……」
「……はい。」
「っ……マジ、かよ……」
「おーい、九条!」