藤ヶ谷先生、大好きですよ?3ーThirdSerieSー
第3章 ♡Story50♡ 転校生は不良生徒
「百合の本当の気持ちなんだよ......」
「......。」
「百合が本当にアンタのことを心配しているから、
怖い先輩がいても迷わず乗り込んでいったんだよ......こんなの、
ただの偽善者にはできないでしょ?偽りの優しさなら、
そんな勇気は出ないはずだもの......」
「美香ちゃん......」
_ニッ「百合は本当に優しいんだから!
百合はね?意外にも傷つきやすいの......ガラスみたいにね......
そんな百合が、本当にアンタのことを心配しているの。
百合、こうして学校に来てるけど忙しい時は本当に学校に来れないんだよ?
芸能界は私達が思ってる以上に大変なところで、百合はそこで頑張っている。
めげないで、私達に笑顔を分けてくれる......
そんな百合を偽善者って言う奴は!
私が絶対許さないから!!」
「......。」
「っ美香ちゃん......ありがとう。
そんなふうに思ってくれてて......」
「あったりまえでしょ!......って、九条君どこに行くのよ!?
あと5分でHL始まるわよ!?」
和真は徹平の手を振り払いかばんを手にとった。
そしてそのまま教室を出ていこうとした。
「帰る。」
「っ帰るって!」
「暑っ苦しい。ここに1日中いろとか、地獄だろ......」
和真はそのまま教室から姿を消した。
「......。」
百合は和真が出ていったドアを切なそうに見つめた。
「......百合ちゃん、これ以上何を言っても無駄だよ。
何を言っても、アイツには響かねぇんだよ。」
「っそんなこと......私が、昔のことを思い出せばいいんです。
九条君だって言いましたもん。『俺のことを思い出して欲しい』って......
私はまだ思い出していません。
だから私が九条君に対してどうこう言う資格はないんです。
だから、九条君にも偽善者って思われても仕方ないんです......。」
「っ百合ちゃんは抱え込み過ぎなんだって!
昔のこと、無理に思い出そうとしたらまた体調崩しちゃうよ......」
「......。」