藤ヶ谷先生、大好きですよ?3ーThirdSerieSー
第15章 ♡Story62♡ 誕生日会
太輔side
百合たちを追いかけ、俺は中庭にやってきた。
そこには百合と九条が何かを話していた。
「もちろん、和真くんがさっきくれたアンクレットも素敵だよ!」
「……なら、今から付けてくれない?」
「へ?」
「そのドレスにも、似合うだろ……アンクレット、持ってるか?」
「う、うんあるけど……」
アンクレットを取り出す百合。
「……。」
「ぁ……」
和真は百合からアンクレットを手に取り、百合の足元にしゃがみこんだ。
「っちょ和真くん……!」
「……。」
和真はアンクレットを百合の右足首につけた……。
「っ……右、足首?」
さっき、北山先生からちらっと聞いた話……
アンクレットを右足か左足につけるかで意味が大きく変わる……
確か、右足首は……
『ちなみにですね!ブレスレットやアンクレットは、
付けるところによって意味が変わるって知ってました?』
『そうなんですか?』
『はい!アンクレットって大体の人は左足に付けるんですけど、その意味合いは
“だれかの所有物”って意味になるんですよ。
だから、百合ちゃんが左足につければ百合ちゃんは
藤ヶ谷先生のものってことになるんです!』
『……逆の、右は?』
『……右は、恋人がいるかいないかで意味が少し変わるんです。
もし、恋人がいなければ“恋人募集”の意思表示。そして、
恋人がいる場合は……
“浮気相手募集中”……つまり、私と浮気しませんかってことになるんですよ……』
『どっちにつけるかで、だいぶ意味が変わるんですね……』
『ですね(苦笑)
まぁ、実際は足元に付けるわけですから
いちいち足元を見る人なんてなかなかいないですけどね……』
右足首にアンクレット……
これは偶然?
ただ、何も気にせず右にしただけ……?
あの話を思い出したら、モヤモヤしてきた……。