藤ヶ谷先生、大好きですよ?3ーThirdSerieSー
第12章 ♡Story59♡ 溢れる気持ち
ハンカチを和真から受け取った百合はそれで涙を拭いた。
「……こいつら全員、お前の気持ちをわかってるつもりだ。
だから、一人で抱え込むな……俺が…っ俺等が、支えてやっから……」
「っ和真くん……」
(あんなに、クラスで孤立してたのに……ちゃんと、クラスのみんなと……)
「前髪のくせにエラそーなことを!」
「るっせぇよ、ばーか。」
「この野郎……(怒)」
「志村!てめぇはいい加減にしろ!(怒)」
「ったく……また始まったよ!」
「このふたりは毎回こうだな(苦笑)」
陸と玲は呆れ半分でふたりを見ていた。
「ふふふふ……」
百合はそんな様子を肩を小刻みに揺らしながら笑っていた。
「ちょっと百合、何笑ってるの!?」
「っだって、いつも見てる光景だから……なんか、嬉しくてさ……いつもの、
みんなで……(微笑)
本当に、幸せな日常の一つだよ……」
「百合……」
「っ私ね!今まで以上に、みんなと過ごす時間を大事にしたい……こんな日常を、
死ぬまで毎日……見てたいな……」
「百合ったら……(微笑)」
初めて気づく、幸せ……
普段感じないものこそが、本当の幸せなんだ……
私は、初めて本当の幸せというものを知った……だから、
太輔とも、クラスのみんなとも、家族や涼介さん達、ファンのみんなとの時間を、
大事にしたい……私は、
限りなく少ない命を……大切にしなきゃいけない……
_キーンコーンカーンコーン
「あ!HR始まる!席に着かなきゃ!」
「美香ちゃん慌てすぎ(笑)」
こんな幸せな日々が、ずっと続けばいいのにな……