第11章 ♡Story５８♡　本音

「っ太輔……」



「っ俺は、お前の考えを否定するつもりはない……ただ、
俺の本音を知ってもらいたかっただけだ……気にするな。」



「っ気にするよ！
いきなりそんなこと言われて……でも、太輔の気持ちも考えずにごめんなさい……」



「いや、いいんだ。お前が決めたこと……だからな。」



「……。」



「少しずつ受け入れていくつもりだから……百合は、
今自分がしたいことをしろ……」



「……ありがとう、本当の気持ちを伝えてくれて……」



「あぁ……だから、俺はお前との時間を大事にしたい。」



「私も、同じ気持ちだよ……あとさ、」



「何だ？」



「話は少しずれるんだけど……ちょっと気になることがあるんだ……」



「どうした？」



「……昨日、太輔さ……和真くんの胸ぐら掴んでたじゃん？
あの太輔が何であんな事したのかなって……気になってて……」



「っ……」



太輔は視線を少し横へずらした。



「……私が寝ている間、何があったの？」



「っ……それは……」













太輔side


「私が寝ている間、何があったの？」



「っ……それは……」



唐突に聞かれた昨日のこと……



病室に入ろうとした時に九条が百合にキスしているところを見た挙句



そこで衝突し勢い余って感情を露わにしてしまった……なんて、



言えるわけない……



「……和真くんと、なにか揉めちゃった？
でなきゃ、あんな事しないでしょ？」



「っ……」



「……。」



眉をひそめながら言う百合、どう……言えばいいのか……



「っ確かに、九条とは少し揉めた……でも、そこまで気にすることじゃ……」



ぼやかすので精一杯だ……。



「……それだけ？
なにで揉めたの……？」



「……九条は、治療を受けないことを陸から聞いたって言っただろ。」



「うん、そうだね……」



「それで、俺も九条から聞いて……訳が、わからなくなって……」



とりあえず、それらしい事を言う……。



「そ…っか……」



イマイチ納得してなさそうな百合……




「……。」
(最近、言い訳ばっかり言ってるような気がするな……汗)