藤ヶ谷先生、大好きですよ?3ーThirdSerieSー
第11章 ♡Story58♡ 本音
太輔side
「おはようございます……」
「おはようございます藤ヶ谷先生。」
「おはようございます!
百合ちゃん、どうするって言ってました?」
「……治療は、受けないって言ってます。
それで今日は退院です。」
「「え!?」」
宏光と渉は驚いた様子で太輔を見る。
「っちょそれ!家族とかは……」
「もちろん既に承諾済みです……」
「っそんな……」
「百合ちゃん、どんな理由があってその結論を出したんでしょうね……
まぁ彼女が決めたことですから、僕らがとやかく言うことできませんよね……」
「えぇ……学校や仕事も、今までどおり再開するみたいです。」
「……藤ヶ谷先生は、それでいいの?」
「百合が決めたことです。
俺がどう思うととやかく言うことはできないんです……」
「っ藤ヶ谷先生は、
百合ちゃんにずっと生きててもらいたいって思ってるんですよね!?」
「そりゃ……そうでしょ……
でも……」
「……。」
「北山先生、藤ヶ谷先生も決めたことなんです。
僕らが何を言っても、無意味ですよ……」
「……。」
宏光は苦い表情をしたままパソコンに向き合った。
「……。」
(百合が決めたことだ……俺がどう言っても、無駄だもんな……)
そして夕方…
「はぁ……こんなもんかな……」
太輔は今日の仕事を終え帰る準備を始めた。
「お疲れ様でーす……藤ヶ谷先生、今日1日浮かない顔してましたけど……」
「まぁ、昨日聞いたばっかりですからね……でも大丈夫です。
こんなとこ、百合に見せられませんし……」
「……素直に、言ってみるのもいいんじゃないですか?
それだけでもだいぶ楽になると思いますよ……百合ちゃんにも、
藤ヶ谷先生の気持ちを知ってもらう必要、あると思いますけど……」
「……。」
「そうじゃないと百合ちゃん、いざという時に困っちゃいますよ……」
「……。」
いざという時に、か……
俺の気持ち、百合に言って大丈夫なのだろうか……