藤ヶ谷先生、大好きですよ?3ーThirdSerieSー
第10章 ♡Story57♡ 嫌いな敵
『ちょっと、思い出さないといけないことがあるの。
とても、大事なことだから……』
『……大事なこと?』
『うん、今日転校生が来てね?
それでちょっと……』
『部屋、ちゃんと片付けろよ。』
『はーい!
よーし、早く九条君を見つけないと!!』
『いい加減片付けろよ。』
『あ、うん……ちょっと待って、
なーんか、思い出せそうな……』
『……飯、先に食っちまうぞ。』
『うん、先食べてていいよ。』
『約束があったなら、
私はそれを果たさないといけないんじゃないかって……』
『約束、か……』
『うん……だから、なんとしてでも思い出さないと!
そうじゃないと、九条君に悪いし、私もすっきりしないから……』
九条が転校してきてからは、
何かと百合の頭の中は九条のことでいっぱいで……
『っなんで追いかけてくんだよ!!』
『心配だからに決まってるでしょ!!』
『お前馬鹿か!!』
『馬鹿でも偽善者でも、何とでも言っててよ!!』
『じゃあ追いかけてくんな!!』
『いや!!!』
『っ
百合!!_グイッ!
お前、こんな時間に何してんだよ!今HLの時間だろ!』
『っ太輔!?
なんでここに…って今は太輔に構ってる暇ないの!
うち帰ったら話すから離して!!』
『っおい
百合!!』
『っ九条君!待ってよ!!
私の話を聞いてったら!!!』
あそこまで感情的になる……。
陸も、そう言った……
『百合の奴、結構九条のことかばってたし、
九条も百合にはすげぇ懐いてたし……ある意味百合、
先生が教育実習に来た時よりうるさかったっす(苦笑)』
『放っておけない存在だから……』
『……そこまでして、庇いたい相手なのか?』
『庇いたいっていうか……なんか九条君、放っておけなくて(苦笑)
九条君、私といる時は何かといろいろ話してくれるから……
それもあるんだけどね。』
いつも、アイツのことばかり……