藤ヶ谷先生、大好きですよ?3ーThirdSerieSー
第7章 ♡Story54♡ 病気…?
百合side
「……。」
酸素マスクで吸入されている百合、
意識を取り戻すことはなく百合はかすかに呼吸だけを繰り返していた。
「っ百合ちゃん……しっかりして……」
涼介はひたすら百合の手を握っていた。
「涼介……お前は百合についていってやってくれ。
この事は俺が事務所に伝えておく。」
「わかりました、お願いします監督。」
「あぁ……柊、お前も念のため一緒に付き添ってやってくれ。」
「はい、わかりました……百合ちゃん、何もなければいいんですけど……」
「疲れから来たものなら……いんだけどな……涼介、
百合は何か持病か何かを持っているか?」
「いえ……これといった事は……むしろ、百合ちゃんは健康体な身体で…っ!」
「山田くん、どうした?なにか気がかりでも……?」
「っ関係、ないかもしれませんけど……百合ちゃん、
小学校6年生の時、白血病にかかってたみたいで……」
「っ白血病……!?
あの……血液の、癌?」
「はい……。」
柊は信じられないような目で百合へ視線を向けた……。
「っ確か、
白血病は5年内に再発する可能性があるって……聞いたことあるけど……っ!」
「5年内に再発……ちょうど今年で5年目……っでも!
再発なんてこと……白血病は年々発症率は下がるんです……ここまできて、
再発なんてこと……」
「……それなりの、覚悟は決めておいたほうがいいかもしれないな……」
「「っ……」」
涼介と柊は監督の重い言葉に言葉を失った……
「そろそろ出発します!お付き添いの方は急いで乗ってください!」
「っはい…!
じゃあ西野さん、後のことは頼みます……」
「あぁ……。」
こうして救急車は病院へ向けて走り出した……。