第18章 ♯17
「壁外に出て暫くは順調だったんだ。今回も巨人を見ずに帰れるんだなぁ、とかすごく楽観的に考えてた。もうすぐ目的地ってとこで俺の右から信煙弾が上がった」
「煙弾を見てすぐ援護に向かったんだ。そしたら・・・」
頭を抱えながら涙声で話すタトゥーを見ていると、私までそこにいるように錯覚させられた。
あのときの苦痛を思い出して唇を噛み締める。
「そしたら、巨人が、何体もいて、先輩を食ってた」
「班長の逃げろって声が聞こえたんだ」
「でも動けなかった・・・」
「俺は戦うことも、逃げることも出来ずにただ人が食われるのを見てたんだ・・・」
「そうしてたら精鋭班が来てくれて。が戦ってるのが見えた・・・」