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【薄桜鬼 トリップ】さくら玉

第5章 1864年 ー文久四年・元治元年ー 【前期】



そう・・・私はここへ来た時からどうやら信用されてない。

夢主(妹)は毎日忙しそうで、なんだかとても楽しいみたい。

夢主(妹)が、信頼されてるから私はここに居られるようなもの。

はぁ・・・

溜息が漏れる。

その後、やっぱり私も呼ばれた。

どんな疑いをかけられるのだろう…と思っていたけど、土方さんは私の覚悟を聞いてきた。

どうやら、信用はしてくれたのかな?

夢主(妹)のおかげかな…。

…最近、夢主(妹)から土方さんの話をよく聞く。

怖いんだよーとか、すごいんだよーとか・・・

怒られた事だってすごくすごく楽しそうに。

きっと今目の前で眉間に皺を寄せている土方さんが、悲しんだり苦しんだりしたら・・・・・・

夢主(妹)も一緒に悲しみ苦しむのだろうね。


もし…今日みたいな情報を、沢山事前に掴むことができれば、ここの人達にとって役に立つかな?

…夢主(妹)が悲しんだりすることを防げるかな?

なんだかわからないけど、帰れないみたいだし。

どうせなら…ここの世界に順応した者勝ちだよね…

ここの人達は、はじめはすごく怖かったけど、なんだかんだすごく気にかけてくれて、みんな良い人達だった。

みんなの仲間に入りたい。



出ても行くところないしね?



「覚悟はあるか?」


と、言う土方さんの言葉を待ってたように、

「はい」

と、私は満面の笑みで即答した。


不信感でいっぱいだった山崎さんの目からは、不信感は消えていて、何か熱いものを感じる。


この人は、私を女として見てるわけじゃないんだと思う。多分だけど。

こんな視線ははじめてで、なんだか照れる。

配属された監察方はきっと裏方の仕事なんだろうって思うけど、きっとその方が私にはちょうどいい。

「忍者にでもなった気分。」

ぽつりとそんなことをつぶやけば…

山崎さんの切れ長の鋭い瞳がキラリと光った。
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