第7章 1864年ー元治元年ー【後期】
「沖田さん?もうお休みになってますか?」
夕餉の後に、千鶴ちゃんが薬を持ってきた。
「お薬持ってきました。」
柔らかい微笑みを僕に向ける千鶴ちゃんの持っている盆には、薬の湯呑みと小さい握り飯が乗ってる。
「ありがとう」
そう言えば、少しだけ頬を赤らめて嬉しそうにする。
ごめんね千鶴ちゃん。
僕は・・・
「明日の巡察は、私も一緒に行く事になりました。よろしくお願いします沖田さん。」
頬を染めて控えめにそれでいてなんだかとっても嬉しそうに言う千鶴ちゃんを眺めると、それに応えられない後ろめたさと同時に、なんだか穏やかな気持ちにもなった。