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【薄桜鬼 トリップ】さくら玉

第2章 不安と殺気と事情聴取


「…ぃった…」

体中が痛い。
なぜか身動きもとれない。

夢主(妹)がうっすら目をあけると、そこには見慣れない和風な部屋があった。


えっと・・・何だったんだっけ・・・?


まだ眠気が取れない中で、思い出そうと必死になる。

えっと、お姉ちゃんと稽古の帰りに季節外れの桜を見て…


そこまで思い出すと、昨夜の出来事が一気に頭の中におしよせてきた。


「…やっべ」


思わずつぶやく。

そう。私たちは今とてもやばい気がする。


「何がやばいの?」


気づくと、夢主(姉)がにこにこと夢主(妹)の顔を覗き込んでいた。


「お姉ちゃん…」


夢主(妹)は縛られて不自由な体をゆっくりと起こす。

夢主(姉)は、縛られながらも何故か正座で、すっきりとした顔をしていた。

部屋を見回すと、二人の他に、華奢な少年も縛られたまま寝ている。

「何がやばいって…うちら…殺されそうじゃん…」

こんな状況で何故そんな笑顔?というほど夢主(姉)の笑顔は完璧だった。

「何かね。大丈夫な気がするの。私。」

「…お姉ちゃんがそういうなら、大丈夫な気がする…」


夢主(姉)が何を根拠に言っているのかは、夢主(妹)には正直さっぱりわからないが、 夢主(姉)が笑えば大抵大丈夫だった。

「…期待しないで聞くけどさー。何で大丈夫だと思うの?」

夢主(妹)はまだ不安を隠しきれなかった。

「だって、私なんで殺されそうなのかわからないんだもん。しかもなんだかぐっすり寝ちゃったし。」

夢主(姉)は自信満々にそう言うと、真面目な顔で夢主(妹)を見つめた。

「!!!…なるほど。そうか。そうだよね。お姉ちゃんはそうだよ。うん。うん。」

夢主(姉)のそんな言葉を受け、夢主(妹)は何か思いついたようだ。

「…お姉ちゃんは何か聞かれても基本黙っててね。空気次第で臨機応変にでいいからさ。」
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