第7章 傷は痛む
及川side
「っと.....こんぐらいだな。後なんかあるか?」
「ない」と答えた後に机上に置かれた資料にさっと目を通す
ハクチョウに関しては問題は無い
「わりいけど俺ちょっと用事あるから。あとは研磨、よろしくな」
クロくんがヒラヒラと手を振りながら部屋を出た
「.....ねえ」
「どうしたの?孤爪くん」
俺が尋ねると孤爪くんは「研磨でいい....」と小さく言い切ると俺の方を見た
「園子と会ったときの事。聞いていい?」
「「!!」」
俺は思わず岩ちゃんと顔を見合わせた
まさか同じハクチョウの子が聞いてくるなんてね...
まあ、予想はしてたけど
「俺は構わねえが」
「俺もいいよ。その代わり」
質問には答えてよ。そう前置きしてから俺は話し始めた