第5章 凶か吉か
薫side
バタンと勢いよくドアを閉めて僕はズルズルとドアにもたれ掛かりながらその場に座り込んだ
「っ.....!」
留衣は何も悪くない
悪いのはすぐに腹を立てて飛び出した僕だ
ギリ...と奥歯を強く噛み締めた
嫌いだ
すぐに怒りに支配される僕も、身勝手な僕も
全部大っ嫌いだ
コンコン
「薫?居るのか?」
不意に声が聞こえてくる。とても優しくて、心の底から心配してくれているのだと分かる不安気な声
「園子......?」
「薫...!」
園子の安心しきった声に今度はなんだか悲しくなり、涙が溢れそうになる
「......泣きたいなら泣け。お前の気が済むまでここに居てやるから」
「っ.....!」
僕は泣いた。園子の言う通り、収まるまでずっと