第3章 八雲島
鳥のさえずりの声で、私は意識を取り戻した。
「ここは…私…生きているの」
ここが、天国ではないと分かったのは自分の身体が温かったから
で、あの高さから落ちて何で死んでないのだろうと考えるもその
答えなど分かるはずもなく、しばらく呆然とその場に座り込んでい
ると人の気配がし
「宝玉の巫女様ですね。私は巫女様に代々お仕えしている九尾の狐
焔、こっちは妹の璩(タマキ)と申します。」
二匹の九尾の狐が恭しく頭を垂らし私に話しかけてくるもその言葉
の意味が分からず首を傾げ
「待って、私は貴方達の言う宝玉の巫女なんかではないから
きっと人違いだよ。それに面倒ごとに巻き込まれるのはごめんだし
ね。ねぇついでにここはどこ?」
いつまでも座り込んでいるわけにも行かず、スカートの裾をパッパ
ッと手で土を払い、人違いだと説明をしこの場所は何処なのかと
訪ね
「ここは人間界の裏鏡の位置に存在し、太古の昔より人間界を
導いてきた世界八雲島です。それに貴方様は間違いなく宝玉の
巫女様です。兄上が間違えるわけありませんものそれに、貴方様の
その藍色の髪の色と深紅の瞳は間違いありません」
今度は妹の璩が私の足元に擦り寄りそう言葉を紡ぎ