• テキストサイズ

→Guilty!←

第2章 人形


初めてこの家に来てから、もう1週間が経とうとしていた。

わたしは毎日、来くんと律くんと魁くんとの4人で登校していた。下校は律くんと2人で。

来くんは弓道部、魁くんは美術部で帰りが遅いから。わたしと律くんは放課後はもう帰るだけ。

毎日、家の近くの電車から5分くらい揺られて、更にバスで15分。結構ハードだ。

『律くん、起きてー!もう朝ごはん出来たよ!』

理沙さんはフランスに戻っちゃったから、わたしが家事全般を引き受けている。

長男の真さんは料理が出来るらしいけど、お仕事でなかなか早く帰れない。他の兄弟に限っては、皆無だ。

なら、わたしが引き受けるしかない。
パパはほっとくと飢え死にしちゃう人だから、家事とかには慣れてる。孤児院でも、頑張って練習した。


毎日、6人分の朝ごはんと弁当の用意。
大変だけど、これくらいの方がやりがいがある。


『律くんっ!もう朝ごはんなくなっても知らないからね!』


扉越しに何度話しかけても返事はない。


仕方なく、がちゃりとドアを開ける。


「まだ眠い……」

『だーめーでーすー』

「チッ……鬼ババア」

『んな!?まだババアじゃないよ!!』


眠そうに目を擦りながらベッドから律くんが起き上がる。


これも、もう毎朝の恒例行事だ。
/ 26ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp