第11章 デートのお誘い
夜、読書に熱中していた私は突如鳴り響く携帯の着信音に意識を引き戻された。
「良いとこだったのに…」
話はクライマックスの直前。
よりによって1番良いところなのだ。
「もしもし?」
うっかりしていた私は発信者を確認せず、電話に出てしまった。
『美織、お前明日暇だろ』
この声…!
「か、か、か、会長⁉︎」
『噛み過ぎ』
ブハッ、と盛大に笑われた。
「な、なんで私の携帯番号知ってるんですか!」
教えてない筈なのに!
『あ?
俺は生徒会長だからな、簡単簡単』
「しょ、職権乱用だ…」
『なんとでも言え。
んなことより俺の質問に答えろ』
「質問って確定系じゃないですか」
『彼氏も居ない寂しいヤツだもんな、予定ある訳ねェよな』
「あ、ありますよ!
私にだって予定ぐらい」
『ほーぉ、なんだ?
言ってみろよ』
「そ、それは…」
しまった、考えてない!