第2章 お願いします
新しい環境だったから、あまり眠れなかった。
朝は普通に起きれたから、部屋の中で服を探していた。フランが言ったとおり、身長はあまり変わらないのだろう。ぴったりだ。
(私の部屋なのかぁ…)
まだあんまり詳しく見れてないから、今日の用事が終わったらよく見よう。
部屋を見渡した時、机の上に写真立てがあることに気がついた。
(10年後の私…写ってるかな…!?)
ドキドキしながら近くに行って写真をのぞき込んだ。
『あ…』
そこには、ヴァリアーのみんなと笑いあってる10年後の私の姿があった。
(すごい…楽しそう…)
心の底から笑っていた。ヴァリアーのみんなも。
…ていうかXANXUSさんが写ってるのってレアなんじゃない?XANXUSさんだけ全然笑ってないけど…
『…好きだったんだね、ここが…』
1人でそう呟いた。
『……信じてあげようかな…未来の私の笑顔と、ヴァリアーのみんなのこと…』
写真の中の少し大人っぽい私に向かって喋りかけた。
写真立てを机の上に戻し、私は部屋から出た。